尾崎ふみ緒

人は奇っ怪、世は不可解

思春期はガラスの靴で綱渡りする季節

1954年6月22日午後3時30分。ニュージーランドのクライストチャーチ。ヴィクトリア・パークのそばにある喫茶店に、二人の少女が取り乱しながらやって来た。「誰か、助けて!」「ママが怪我をしたの! 酷い怪我で、死んでるの!」 店のマネージャー...
人は奇っ怪、世は不可解

闇堕ち美子ちゃん、あるいはエリザベス・ホームズは美文字だったのか問題

いつぞやあった某女優の不倫騒動は、(当事者以外の外野が)大騒ぎしたわりに思ったよりあっさり解決して、どんな結果であろうとまあよかったよかったてなものであった(そして、今年になって掘り返されることになろうとは、この時は誰も想像していなかったの...
人は奇っ怪、世は不可解

声にならない悲鳴が聞こえる人

デヴィッド・フィンチャーといえば、『セブン』や『ゴーン・ガール』などのヒット映画の監督として有名な人だけど(監督デビュー作の『エイリアン4』は興行的に失敗したってことで無視されがちだけど、私は駄作なイメージないなぁ)、映画監督になる前はミュ...
人は奇っ怪、世は不可解

歴史に”if”はないというけれど……

よく歴史のifネタとして、「もしヒトラーが美大に合格していたら……」というのがある。 確かに、ヒトラーの人生における美大(正確にはウィーン美術アカデミー)不合格というイベントは、彼がもとから抱いていた劣等感に社会への復讐心を点火させることに...
連載小説【狂おしい棘】

狂おしい棘 第四話

足もとに転がる二つの死体を見下ろす。 それらは、愛する互いを庇い合うように折り重なっていた。それぞれ銃弾で穴を開けられた頭から流れ出した血が、一つの道を作り床を舐めるように這い回っている。「僕たちが一体何をしたっていうんだ?」 男が最後に放...
人は奇っ怪、世は不可解

極私的イントロ傑作ロック名曲リスト

オザキがイントロから傑作だと思うロックの名曲を、Amazon Musicでプレイリストにまとめてみました。これからも増える予定。他に「これ忘れてるってば!」という曲がありましたら教えてください。
人は奇っ怪、世は不可解

腐女子の夢は壁に花咲く……のか?

潔癖で厳格なモラリストじゃないので、エロに関しては寛容というか嫌いじゃないというか、まあ、人並みに興味はあるし割と好きな方だ。 まあ、好きじゃなければ官能小説なんて書く気も起こらないから、充分好き者の部類には入るんだろうなとは思う。 だけど...
連載小説【狂おしい棘】

狂おしい棘 第三話

三月九日正午。いつもなら聖堂の鐘が鳴るところだが、今日だけは違った。クレムニクの屋上に据えられた十月革命時に使われた大砲の発射音が響く。その後、当代一のピアニストであるハチャトゥリャネスカによるショパンの葬送行進曲の演奏が始まった。 もの悲...
人は奇っ怪、世は不可解

みっともない自分で生きていく

オアシスの再結成ツアーの来日公演が無事終了して、私は行ってませんけどひとまず良かった良かったと安堵しております。 ギャラガー兄弟のことだから、まーたぞろ兄弟ゲンカして「お前となんかやってらんねーんだよ!」とぶち切れてどっちかが離脱、やっぱり...
人は奇っ怪、世は不可解

気高き魔女のための鎮魂歌

「ジャン=マリー・ルペンの死を祝うフランス市民に批判の声」とかいうニュースを見た時、 何甘いこと言ってるんだかと思った。 サッチャーが死んだ時のイギリス人はそんなもんじゃなかったぞ。この動画見てみ? もう浮かれまくって町中でお祭り騒ぎだった...
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