2025-12

連載小説【狂おしい棘】

狂おしい棘 第一話

今でも、あの日のことは夢だったんじゃないかと思うことがある。一切の音がなく、すべてが白だけに塗られた風景。あの場面のどこをとっても、現実にあったこととは思えない。  しかし、彼女は確かにここにいる。私の目の前にいて、テーブルの向こうで、夢中...
連載小説【狂おしい棘】

狂おしい棘 あらすじ

1953年3月、ソヴォク連邦最高指導者ディミトリ・ガリェーチンが急死する。 彼が作り上げた共産主義社会は西側諸国の目には完全な独裁体制であり、その抑圧的な体制と個人崇拝は異様なものとして映っていたが、ガリェーチンは共産主義の象徴として諸国家...
人は奇っ怪、世は不可解

劇的変身!人生ビフォア&アフター残酷物語

昨年末、YouTubeのとある動画にて、今年もたくさんめちゃくちゃ面白い動画をありがとうございました。 そして、いつか文学青年風のとんでもなくイケメンだった若い頃のヤゴーダをプリーズ! とコメントしたところ、新年早々この動画で願いごとが叶っ...
人は奇っ怪、世は不可解

愛と自由と資本主義 ~19世紀英仏娼婦生き様比較~

一般的に、世界最古の職業といえば売春、というのが定説になっている。 皇太子時代の英国のチャールズ3世が自らの立場について、「世界で二番目に古い職業」と控えめに語っていたくらい、歴史の古い仕事としてある種の敬意を払われている。 確かに、人間の...
不道徳シネマ

ザ・グレイト・ロックンロール・ブリタニア

松村雄策氏が亡くなった時、rockin' onを読まなくなってもう随分経つにもかかわらず、「ああ、もう渋松対談は読めないんだな……」としみじみ思ったものだけど、今度の渋谷陽一氏の訃報にはそれ以上に動揺した。「ワールド・ロック・ナウ」が終了す...
人は奇っ怪、世は不可解

ロマンスの神さまはどこだ?

数多くの男たちと恋愛関係を持ちながら、生涯を独身で通したココ・シャネルは生前、結婚についてこんな辛辣なことを言っている。「彼ら」は一人ずつだと悪くない。だけど二人いっしょになると、ほんとうに嫌な相手になる。(中略)夫婦は一つの連合、「結合は...
短編小説

ドジソン先生のお気に入り!

ここは辺獄、つまり地獄の周辺である。 死んだ人間が、諸般の事情により天国行きの許可が出るまでに時間がかかるような場合、天国の門が開かれるまで留め置かれる場所である。 普通の善男善女であれば死後の裁きに遭ったところで、「まあ、それはそれだった...
人は奇っ怪、世は不可解

盛者必滅は世のならい、でござる

共産趣味者でありますので、日々共産関係の情報をせっせと収集しているわけなのでありますが、とある日のこと、Wikipediaで『スターリンの死と国葬』の記事を読んだ時、ついでにこの記事のロシア語版も見たのです。 そして、記事にこの画像があった...
人は奇っ怪、世は不可解

乙女のための人生(迷走)案内

ニッポン放送には名物長寿番組『テレフォン人生相談』というのがありますが、聴いてるかい?(ここで聞くこと自体間違ってる)。 月曜から金曜(局によっては土曜も。って私がよく聞く放送局は土曜も放送してるから、全国どこも同じだと思ってました)、種々...
人は奇っ怪、世は不可解

人生に絶望したような顔で下ネタを口にするロシア男

米原万里さんのおかげでロシアの小話、アネクドートの面白さを知り、色んなアネクドートを読んでみたいと思っているのだけど、ある種の口承文学みたいなものなので、物好きな研究者でもない限り採集していないのか本にまとめられているものは見つからないし、...
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