純粋姦通契約

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「実は、好きな人がいるんだ」
 突然のフレデリックの告白に、ヴァルデック伯爵夫人はあまりに驚いて、口に入れたばかりのバニラアイスが喉に詰まりそうになった。呼吸を整えようと一所懸命に咳き込みつつ、溢れる涙の向こうに見える夫の横顔を見る。
 切れ長の目に動揺は見られない。いつもと変わらず、悠然とした態度で車を運転している。
 なんて傲慢な男だろう。
 妻に向かって青天の霹靂な事実を告げ、混乱させておいて、自分には関係がないような顔をして澄ましている。これには、イレーネが持っている残りのアイスを、その顔めがけて投げつけてやりたい衝動に駆られたのも無理はない。
 だが一方で、世事や他者には万事不感症というほど関心の薄い夫、自分と結婚する時も無感動に淡々と物事を進めていた男が、初めて自分の感情を見せたことに、若干の興味を引いたことも事実だった。
「それで、あなたの好きな人って誰なの? というより、その人とはどこまで進んでるのかしら? それとも、私の知らないところで、さっさとファックを済ませたとか?」
 多少は自分が不機嫌になっていることを匂わせつつ、穏当な表現で聞いてみた。今なら面白い反応が返って来るだろうと予想していたが、実際はそれ以上のものが返ってきた。
「いや……それがまだ、なんだ。怖いんだよ。彼女に拒まれたらと考えたら、何も言えなくなるんだ。ねえイレーネ、僕は一体どうすればいいんだろう?」

 まったく、妻に恋愛相談をする夫がこの世に存在するなど、誰が想像し得ようか。
 イレーネはそんな夫に心底呆れたが、当のフレデリックにとっては相当切実な悩みらしい。何せ、この男にとってこれが人生初の恋らしいのだ。経験したことがないことに戸惑うのも当然というものなのだが、はてさてどうなることやら。
 しかしイレーネは、フレデリックの思い人について知ると複雑な気分になった。
 というのも、彼女はヴァルデック伯爵家のメイド、それもチェンバー・メイド部屋女中で四六時中顔を合わせているゾフィー・ウィラードだったからだ。 ゾフィー自身に悪い印象は決してない。それどころか、これまで雇い入れてきた使用人の中で、彼女ほど優秀な人間はいないほどだ。だから全幅の信頼を置いているし、彼女がいなければイレーネの暮らしも成り立たないくらい、なくてはならない存在である。
 フレデリックは大切な夫である。そして、ゾフィーもまた大事な人間である。
 困った。まだ何も始まってもいないのに、行く末を思うと胃が痛くなる。
 そんな調子で、イレーネが頭を抱えて悩んでいたある日のことだった。
 その日、フレデリックは職務の関係で不在だった。夜が更けてそろそろ眠ろうかという時、イレーネは突然用事を思い出した。それは、今すぐゾフィーに伝える必要もなかったが、起きた時に忘れてしまっても困るので、念のため言っておくことにした。
 自室を出て、ゾフィーの寝室の扉をノックしてみるが、返事がない。いつもならどんな時でも待たせることはないのに、どうしたことだろう。
 不思議に思いながらもう一度ノックすると、今度は中から、
「奥さま、少しお待ちくださいませ」
 という声が返ってきた。イレーネがしばらく待っていると、ドアが開き、ゾフィーが遠慮がちに出てきた。その時イレーネの目に、彼女の様子がおかしく見えた。違和感の正体を探ろうと、イレーネが目を凝らしたところ、その瞬間からゾフィーから目が離せなくなってしまった。
 その時のゾフィーの格好は、体に薄いタオルを巻いただけの、どうやら湯上がりの状態だったらしい。そんなほかほかと温まった彼女の体から立ち上がってくる、溌剌とした若々しい香りにむせかえりそうになった。目が眩むほどの香しさにくらくらする。
 白く輝く肌の滑らかさ、むちむちと肉感的で弾けそうなしなやかな肢体、濡れた髪の艶やかさ、すべてが魅惑的だった。加えて、それでいながら恥ずかしそうにはにかんでいる表情がまた、イレーネの中にある獰猛な情慾を目覚めさせた。
「奥さま?」
 イレーネから凝視されたゾフィーが困惑した顔で聞いてきたが、もうその時の彼女は、気取った伯爵夫人という仮面を脱ぎ捨てていた。
「えっ、えっ!? 奥さま、おくさ……」
 ゾフィーの戸惑いなどイレーネの耳には入らない。頭の中は、目のゾフィーの肉体のことでいっぱいだった。
 じりじりとゾフィーに近寄り、彼女の体を隠しているタオルに手をかける。何が起きるか予期しているゾフィーは、そろそろと後ろに下がっていく。二人がそれ以上のことを何もできずに部屋の中を進んでいたら、ゾフィーの足がベッドの縁に引っかかり、二人の体がベッドへ倒れ込んだ。
 二人の体が重なったまま倒れた勢いで、ゾフィーが巻いていたタオルがはだけた。そして、イレーネは露わになった彼女の裸体を認めると、間髪を入れずゾフィーの体に食らいついた。
 首筋に顔を埋め、ゾフィーの香りを体いっぱいに吸い込んでみる。シャボンの香りの奥から、ゾフィー自身の匂いがする。ベルガモットを思わせる澄んだ香りの中に動物的な臭いが混じっていて、イレーネは本能的に欲情した。
 イレーネの下でゾフィーは、呆気に取られて気も力も抜けている。それを幸いと、続いてゾフィーの体全身に口づけていく。白く輝く潤いに満ち満ちた肌は、イレーネの口と舌の刺激に反応してピクピク撥ねる。特に、胸の先端の愛らしい突起は、イレーネの愛撫に導かれて嬉しそうに勃っていた。
 血色の良い乳首を口に含む。舌先でころころと転がし、赤子のようにちゅうちゅう吸い付きながら、両手で膨らみを揉みしだく。
「奥さま……ダメで、す……そのようなことを……しては……旦那さまが……」
 ゾフィーが懸命に抗おうとするが、イレーネの愛撫のままに意識が蕩けていっているのが上擦っている声で分かる。理性と本能で乱れるゾフィーの姿に、イレーネは嬉しくて仕方がない。
「誰も、何も怖いことなんかないのよ。私が気持ち良くしてあげるわ。あら、ふふふ、足に力がなくなってきてわね。私の指、いいでしょ? ここをこうすれば気持ちよくなるの。ね? ほうら、とろとろのおま×こ汁が垂れてきたわよ。もう、あなたのお汁、とっても美味しそうだわ。……っと。まあ、想像以上の美味しさだわ。あなたのマ×汁って、ブルゴーニュのワインみたいにコクがあって、本当に美味しい。それに比べたら、男のザーメンなんて出来の悪いビールみたいだわ。もうあなたに夢中なの。だからね、こうしてたくさん可愛がってあげるから、もうこれからは私だけのものになるのよ」
 その夜以来、イレーネはゾフィーの体を求めるようになった。
 また、いつでも彼女の体を味わえるように、ゾフィーに対し下着を履くことを禁じた。 ゾフィーが高い場所を掃除する時は彼女のスカートの中を覗くためであり、お茶の時間にはゾフィーのプッシーを弄り、垂れてくる愛液を飲むためでもあった。
 当初はイレーネのちょっかいに対して恥ずかしがり抵抗していたゾフィーだったが、イレーネの巧みな舌技と指技は、彼女が知らなかった自らの情欲を目覚めさせることになった。
 ある日、ゾフィーがクロゼット室の整理していた時のこと、鼻唄など歌いながらイレーネの服を整理していると、いきなり後ろから押し倒された。
 びっくりしたゾフィーは、何が起こったか分からず服の山の中でもがいていたら、
「声を出すな」
 と言われ、口を塞がれた。太ももにナイフのように尖ったものが当たっていた。相手の顔は見えない。何をされるか分からない恐怖で足が震える。
 相手はナイフでスカートをめくる。それから、ナイフはゾフィーのお仕着せの上着をザクザクと切っていった。
 身の危険は感じたが何もできないまま、相手の為すがままになっていると、そのうち手が股間を弄ってきた。閉じていた割れ目が押し広げられ、花びらを弄られる。刺激に煽られ、恐怖とは違う震えが足を動かす。花びらの奥から愛液が沁み出してきて、くちゅくちゅとした淫らな音が立ってきた。
「ふふふ、もうこれだけでイキそうになってるわね。可愛い。もっと調教してあげるから、私好みのいやらしい子になってね。一生あなたを離さないわ」
 イレーネだった。そのことにゾフィーは安心したが、ほっとして体が弛緩したことで、イレーネの指の刺激に敏感になった。
「あっ、お汁漏れちゃう……!」
「いいのよ、あなたのお潮が吹くところが見たいもの。イって、イってちょうだい。あなたの嫌らしい顔見たくてたまらないわ」
「でも、でもっ、ここが、汚れちゃう……」
「大丈夫、花瓶の水が零れたとでも言っておくから、心配しなくていいのよ。そんなことより、あなたのイキ顔を見る方が大事」
「あんっ、あんっ、いやっ、やっやっやんっやんっ……奥さまの指、おま×この中ですごい、いやらしく動いてるぅっ……!」
 そして、ゾフィーはそのまま絶頂に達したが、二人の思いは収まるところを知らなかった。
 イレーネも服を脱ぐと、互いの体を執拗に求めて貪った。
 秘所を合わせてぐりぐりと擦り合わせたり、どこに隠していたのかイレーネが張型をつけたベルトを装着すると、ゾフィーの秘口を激しく責め立てた。
「ああんんっ、奥さまぁっ、ナカにぃぃぃ、すっごいずんずんクるぅぅぅぅぅぅ!」
「ふっ、ん、はっん、いいでしょ、これ? あなたのお口に合うように特別に作らせたのよ。可愛いおま×こには、この美味しいち×ぽを味わわせてあげないとね」

 そんな調子でイレーネとゾフィーの関係が続いていたのだが、二人の関係が始まって半年ほど経った頃だった。
「イレーネ、一体どういうことだい?」
 フレデリックはイレーネに詰め寄った。
 その顔は、彼女が見たことのないものだった。
 ああ、バレたか。
 フレデリックの目を盗んでゾフィーとの逢瀬を楽しんでいたイレーネに、彼は張型を見せ、何事かと問い詰めた。
「これは何?」
 イレーネはもう隠し立てすることも面倒だったので、拗ねたようにこう答えた。
「何って、張型じゃない。知らない? ファックする時に使うのよ」
「誰と?」
「そりゃあ、女の子相手に使う時もあるし、男だって尻に挿れたい人だっているわよね」
「君は誰に使った?」
「……」
「ゾフィーだろ?」
「……知ってるならわざわざ聞かないでよ」
 イレーネの返事を聞いて、フレデリックは屋敷中に響き渡るほど悲痛に叫び出した。今日はゾフィー以外の使用人は休暇で出払っていたのは、幸いだった。
「あああああっ! 何でっ、君はっ! 僕の気持ちを知っておきながら、そういうことが出来るんだ!? 僕が、僕の方がっ! 好きだったのに!」
 子どものように泣き叫ぶフレデリックに、イレーネは冷ややかにこう返した。
「人と結ばれるのに順番とか思いの強さなんて関係ないのよ。あなたがグズグズしてるのが良くないのよ。私だってゾフィーに惹かれるなんて思わなかったわ。でも、彼女の魅力に気づいた途端、もう抑えられなかったの。だから、ゾフィーはもう私のものよ。諦めることね」
 悠然と話すイレーネの脇で、フレデリックは地団駄を踏んで彼女を罵っている。そんな夫をせせら笑うイレーネ。
「もうっ! お二人とも仲良くしてくださいませ!」
 ゾフィーの声が部屋に響く。
 イレーネとフレデリックはハッと我に返って、部屋の隅に立っているゾフィーを見た。 ゾフィーは顔を涙で濡らし、表情をくしゃくしゃに崩して、二人を見ていた。
「お二人とも、おやめください……。私が悪いんです。旦那さまの気持ちに気づいていながら、奥さまの思いにも応えた私が、すべて、悪いんです……。だから……だから、仲良くして……ください……」
 ゾフィーの可憐な姿に、二人は思わず顔を見合わせる。恋しい彼女を悲しませてしまった後悔で、二人は思いを共にしていた。
 イレーネとフレデリックはゾフィーのそばに行き、彼女に詫びた。
「ごめんなさいね、ゾフィー。私たち、自分のことしか考えてなかったわ。私、フレデリックのことも好きなのに、彼の気持ちより自分の欲望だけであなたを自分のものにしようとしてしまって」
「僕だって、ちゃんと自分の気持ちに素直になってれば良かったんだ。せっかくイレーネも好きになってくれたのに、自分だけを見て欲しいなんてグズグズしてしまって」
 両脇から優しく宥められ、ゾフィーの気持ちも落ち着いてきたようだった。 「私、お二人とも大好きなんです。素敵なご夫婦だなって尊敬してて、お二人が仲良くしてるのを見てるととても嬉しいんです。だから、どちらかなんて選べないんです」
 ゾフィーの言葉は途中で遮られた。フレデリックが口づけたからだった。
 ちゅっ、ちゅっ……と鳥が啄むような控えめなキスだけで十分だった。それを合図に、三人は服を脱ぎ始めた。
 裸の三人が絡み合う。フレデリックは妻の体を改めて賛美し、またゾフィーの肉体を愛でた。二人の乳房を交互に吸い、秘所を貪る。顔中嬉しそうに汁まみれにして、フレデリックのディックは充血し、固く太くなっていった。
 そんな彼のディックを女たちも可愛がる。イレーネは口いっぱいに竿を頬張り、ゾフィーは玉袋を飴玉のように嘗め回す。唾液と汁でじゅるじゅると濡らしたディックは、やがて穴を求める。
 ゾフィーが二人を迎え入れるように、足を大股開きにする。もう秘口は、大きくぱっくり開いて肉棒が入るのを待つだけだった。
 イレーネは張型ベルトをつけると、ソファに仰向けになった。そして、ゾフィーはイレーネに四つん這いで重なり、ゆっくりと張型を秘口へ飲み混ませる。
「ああ……んん……すごくいい……」
 思わずうっとりとした声が漏れる。そんな具合のゾフィーの後ろから、フレデリックが抱きしめる。彼女の耳にフレデリックが囁く。
「後ろはやったことある?」
 ゾフィーが首を横に振る。
「じゃあ、後ろは僕が初めてになるんだね」
 弾むような声でフレデリックが言う。そして、そっとゾフィーの尻を広げると、窄んでいる穴にディックから滴っている白い汁を塗りつけた。
「いいかい? 挿れるよ」
 ゾフィーが黙って頷き、受け入れるために体の力を抜く。
 引き締まった穴に、肉棒が入っていく。経験したことがない感覚に一瞬体が強ばるが、根元まで入ると、何か殻から解放されたような気分になった。
「すごい……私のおま×ことお尻、もうお二人のものなんですね……」
 歓喜した声に、二人はこの選択が正しかったことを確信した。
 自分たちの人生は、彼女がいることで完成する。そう、誰一人が欠けても不完全なのだ。
 腰を振り立て、淫らな声を上げながら、三人は幸福感と快感でいっぱいだった。
 もう誰も離さない。
 絶頂でふわふわした気分の中、三人はそう決意したのだった。

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