Boys Don’t Cry

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4時限目【幸福な過ち】

「北野君、ここじゃ駄目だよ。隣に人、いるじゃん」
「大丈夫だよ。先生、声抑えといて」
 凪南の足の間に蹲り、タイトスカートをめくり上げると下着をずらす。股間に顔を埋めて、下着と秘所の間に舌を差し入れ、ちろちろと舐め上げる。伊織の舌の動きに呼応するように、凪南の蜜が滲み出てくる。
 蜜を舐め取りながら突起を弄ると、「いやっ、ん」と凪南の声が漏れる。
「先生、声我慢してって言ったじゃん。もしかして、こんなとこ見られたい願望とかあるの? 先生、実はヘンタイ?」
「そんな、こと、ないっ、のに……北野君の、いじわ、る……」
 伊織の言葉に過敏に反応する凪南の快感を高めるように、伊織は突起と膣内を指で嬲る。
「ここ、一緒にこうされるの好きでしょ? もっとして欲しい? それとも、もういらない?」
 伊織の楽しそうな声に、凪南は腰を揺らしながら「もっと、もっと」と小声で求める。そんな彼女を見ていると、伊織の股間も熱くなってきた。
「やっぱ無理。見てるだけじゃ我慢できないよ。挿れたい、挿れたい」
 立ち上がり、制服のズボンのファスナーを急いで下ろし、下着からもう抑えの効かなくなったペニスを取り出して、凪南の秘所に押し当てる。彼女のここはもう、伊織のペニスを受け入れようと開いて待っていた。
「挿れるよっ…… 」
 ぐっと力のこもったペニスで凪南の隘路を穿つ。もう彼女のここは、伊織のペニスによって形作られていて苦しくはないが、彼女の締め付けは変わらず伊織のペニスを咥え込んで離さない。
 突き始めると、凪南の押し殺した喘ぎ声が部屋に響く。
「いやっ、あっ、ふっ、ん…… 北野、く、ん…… そこ、いいっ、もっと、もっと…… 」
「先生、声っ…… 」
 伊織は凪南の口をキスで塞ぐが、これがかえって欲情を刺激して、伊織の腰を振り立てる。粘液を絡みつく感覚が、欲情を煽り立てる。
「ふっ、うっん、はぁっ、はっ、はっ、先生、いい? 」
「いいっ、いい……イっちゃう……イっちゃうよう、北野君…… イっちゃう」
 子どものように甘えながら昇りつめていく凪南の顔に、伊織はますます興奮で腰を突き上げる。
「ふんっ、はぁっ、うんっ、んっ。イこう、一緒に、ねっ。う、んっ」
 伊織は腰を振る速度を上げて、自らを追い立てる。それに対して凪南もますます高みに昇っていく。乱れていた呼吸が合わさっていき、ちょうど二つに重なるか、という瞬間、同時に絶頂に達した。

 凪南は、それからまだ仕事があると言うので図書準備室から出て行ったが、伊織はぼんやりとこれまでの二人の関係を思い出していた。 凪南から誘われて始まった関係だとはいえ、今では伊織の方がハマっていた。時間をみつけては、場所を見つけては、凪南とセックスするのが当たり前になった。ヤるのは決まって校内のどこか。保健室や進路指導室、図書準備室に視聴覚室、職員用トイレの中と、探せば学校の中どこでもヤれた。
 でも、万が一見つかってしまったら、という心配がないわけもない。
 だから、「先生の家ってどこ? 」と何度も聞いたけれど、いつもはぐらかされた。
「なら、僕の家に来ない?親は仕事で夜遅いし、一人っ子だから邪魔もいない」 こんな風に誘ってみたこともあるけれど、遠回しに断られた。
 伊織は、凪南が自分のことを好きだという確信があった。自分を見つめる目の優しさ、艶っぽさは自分だけに向けられた特別なもの。体を重ねれば重ねるほど、互いの心が欲しかった。
 でも、そのわりに距離を置いた態度を取られているのが解せなかった。もちろん、この関係が表沙汰になって困るのは自分だって同じなのだが、彼女のすべてを知りたい伊織ににとって、超えられない一線があるのは苦しかった。
 しかし、解せないといえば自分の方だって同じだった。
 いつか思いを告げようと、心に決めていた彼女のことを思うと、自分の汚さに惨めになる。
 彼女の姿を目にするたびに、チクリと胸が痛む。あんなに恋い焦がれた相手だったのに、今ではその思いも捨て去って凪南と情欲にまみれている。
「あー、本当に好きだったのにな」
 思わず独りごちるが、その言葉も今では嘘っぽく響いて自分でも嫌になる。
 しかし、不要な自己嫌悪に浸って苦悩するほど、伊織の性格は暗鬱ではなかった。
 確かに、あの恋心からは遠くなってしまったけれど、凪南のことは好きなことな確かだった。それは単にセックスの相手というだけでなく、その佇まいや容姿、穏やかな性格、刺激を与えてくれる豊かな知性に心惹かれていた。
 彼女に憧れる男子生徒が多いのも、付き合い始めて改めて分かった。でも、と伊織は彼らの顔を思い出しながら思う。
 悪いな、今は僕のものだ。
 一度の過ちだったはずのこの関係が、ことのほか気に入るものとは思わなかったけれど、これこそが自分の求めていたものだったのかな、と気楽に思う。
 だって、自分はまだ十七歳で、未来はまだ始まったばかりなのだから。
 こうしてつらつらと凪南のことを思い出していたら、再びペニスが盛り上がってきた。
「ああっ、もうっ。さっきシたばっかりだろ」
 言うことを聞かない自分の分身を苦々しく思いながら、凪南の感触を思い出し、右手で屹立したペニスをしごき始める。
「ああっ、先生……好き、好きだよ……僕だけの、先生……」
 しかし、この関係が二人だけの秘密とは限らなかった。
 どこにでも、秘密を嗅ぎつける人間というのはいるのだから。

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